和歌山は海、山、川に恵まれた自然豊かな県です。
和歌山の自然の神秘さをたたえ、和歌山には様々な民話や神話が残っています。
参考

我が町串本町にも、こんな民話があります。
串本町出雲の朝貴神社。

串本の神社・朝貴神社

串本の神社・朝貴神社
この朝貴神社がまつられた浜「宮ノ瀬戸」は、岩に囲まれ、波の穏やかな夏の水遊び場になっています。

宮ノ瀬戸
岩に囲まれていて、岩が波の緩衝材になるので波が穏やかで、海水が温かい宮ノ瀬戸。
安全な宮ノ瀬戸は、子どもの絶好の遊び場です。
いままで子どもがおぼれたことはないそうです。
この宮ノ瀬戸には「オソのがば」という民話が残っています。
※オソはカワウソだそうです。
参考
朝貴神社の鳥居のとなりにある洞窟。

オソの洞窟
この洞窟は、昔カワウソが住み着いていた「オソの洞窟」と呼ばれています。
カワウソは、浜で水遊びをしている子供を、海に引きずり込んだそうです。
なので、カワウソのいる宮ノ瀬戸では子どもが水遊びをすることは禁じられていました。
しかし、ある暑い夏の日。
あまりに暑かったので、子どもたちは大人の言いつけをわすれ、水遊びをしていました。
水遊びをしている子どもたちを見つけ、海に引きずり込もうとするカワウソ。
そのカワウソの悪だくみを見つけた朝貴神社の神様は、
「子どもが楽しそうに水遊びをしているのに、海に引きずりおぼれさせようとはけしからん!」
といって、カワウソを宮ノ瀬戸から追い払ってしまいます。
カワウソが宮ノ瀬戸から追い払われて以降。
この浜でおぼれた子供はいないそうです。
参考文献「串本民話集」

串本民話集
(串本町潮岬図書館かんりん文庫貸出図書)
かんりん文庫関連のページ

実際に朝貴神社の神様がカワウソをこらしめたのか?
はたまた、宮ノ瀬戸の岩に囲まれた穏やかな様子をみて昔の串本の人々はそう思ったのか?
「宮ノ瀬戸では子どもがおぼれたことがない」
そういう言い伝えが残っています。
この美しい串本町出雲の浜「宮ノ瀬戸」

宮ノ瀬戸(青のりが生えはじめた春)

宮ノ瀬戸(海水の透き通る夏)
昔はもっときれいで、岩場をのぞき込むと黒マギ(巻貝の一種)が黒々と群れていました。
しかし、時代が進み、産業が盛んになるにつれて生物の数が減ってしまいました。
昔から町の自然の恵みに親しんできたものにとっては、とても悲しい思いです。
ただ、まだ春には青のりが生えはじめ、美しい姿を見せる串本の海。
「海で子どもたちを見守る神様がいる」
そんな優しい思いがのこる美しい串本の浜を守りたい…
そう思いながら、今日もごみを拾うのでした。

「串本につたわる神社の民話」とごみ拾いボランティア
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