本州の最南端にある串本町はお魚グルメの町。
北を除けば、三方を海に囲まれた串本では、海の幸がせいぞろいです。
世界初の養殖を成功「近代の養殖マグロ」。
古くから伝わるケンケン漁法でつられた「しょらさんカツオ」。
串本町の町の魚トビウオ。
そして実はタイも串本町の特産品としてとても有名です。
商売上手のタヌキの入れ知恵
串本民話集によると串本町にはこんな民話が残っています。

串本民話集
昔は串本町でとれたタイは「紀州のタイ」と呼ばれ、商売のため大阪まで運ばれていました。
串本から大阪に運ぶとき、タイの荷車に忍び込むのはタヌキたち…
タヌキは串本でとれたタイの目をくりぬき、エサとして盗んでいくのでした。
そんないたずらタヌキもある日、荷車を引く車夫(しゃふ)につかまってしまいました。
車夫👨「タヌキめ、ちくしょうめ、商品のタイを台無しにしやがって…今日こそこらしめてやる!」
タヌキ「ほ、ほんまごめん💦お詫びにもうけさせてあげるから、命だけはご勘弁を…」
タヌキは車夫に命乞いをし、車夫の許しを得て去っていきました。
ちょうどそのころ大阪では、流行り病のホウソ(天然痘らしいです)が流行っていました。
大阪の人ごみの中、タヌキはこんなうわさを流しました。
タヌキ「紀州串本の目玉のない「目なしタイ」は、ホウソの薬だとさ~」
タヌキがうわさを流すと、串本でとれたタイは飛ぶように売れました。
串本のタイには2倍3倍の値段がつき、車夫も串本の漁師も儲かったそうです。
紀州梅まだい
現在、串本では特産品として紀州梅まだいという養殖タイが販売されています。
参考
梅まだいの理由は、タイのエサに和歌山の特産品「梅」のエキスが使われているからです。
普通、養殖タイはいけすの中では病気にかかりやすいそうです。
梅は抗酸化作用が高いといわれますが、梅エキスをタイに与えることで梅まだいは健康に育つのだそうです。
いけすの管理も丁寧に行われており、黒ずんでいない鮮やかな赤色の肌が、梅まだいの魅力です。
参考
梅まだいを養殖している岩谷水産のHP
梅まだいは、串本のスーパーオークワやAコープで購入、
もしくは、串本の飲食店で味わうことができます。

串本旬彩おおはし「タイのアラの煮つけ」
「おおはし」さんの参考ページ

串本には、タヌキが運搬中のタイの目をくりぬいていたときと変わらない、自然が残っています。
畑をしていると、ひょっこりタヌキが顔をだすことも…
しかし、タヌキがタイの目をくりぬき盗んでいただろう道「国道42号線」は舗装され、タヌキがタイの目を盗むということはなくなってしまいました。
日本では実はポイ捨てごみよりも、車から落ちたりする産業の過程で出るゴミの方が多いそうです…。
いたずらの立場が、人間と動物で入れ替わってしまった気もします。
何はともあれ、技術の進歩で現在の豊かさがあります。
串本のような、都市圏から離れた町で豊かに暮らせるのも、道を作る技術があるからです。
タヌキには
ぼく👨「ほんまごめん💦ごみ拾いするから許して~」
と謝りつつ、たぶんタヌキは聞いていないとおもいながら、今日もぼくは串本のごみを拾うのでした。

和歌山の民話「串本の風土に磨かれたタイとタヌキの入れ知恵」とごみ拾いボランティア

みなさんの応援のおかげでボランティアブログランキング1位になりました!
ありがとうございます!
さらにランキングが上がるように頑張ります!
生活ブログランキングも応援お願いします!
コメント